『生きる勇気が湧いてくる本』(遠藤周作)より、
あなたが末期癌の患者であり死を覚悟されているとしよう。もし、「あと半年の命」と医師から宣告されたら、すぐには受け入れることはできないでしょうが、それなりの時間があれば死を覚悟する(あきらめる)ことができる人は多いと思います。
その時私は保証するが、あなたは自分が今まで現代の人間として軽蔑していたことをきっと思いかえすにちがいない。
それはやがて決別するこの地上ではどんな小さなものにもそれぞれに命の賛歌があり、それゆえに美しい意味があるのだと、あなたはさし迫る死を通して理解されるにちがいないのだ。
それから、いろいろなことを考えるでしょう。その際、きっと今までとは違った考え方になるのだと思います。
今まで「当たり前」と思っていたことが、有り難いこと・幸せなことと思えるのではないでしょうか。
今まで当たり前にできていたこと、有って当たり前のもの、当たり前に利用していたもの、いるのが当たり前に思っていた人の存在、当たり前に人がしてくれていたこと、・・・生きていること。
自分以外の“命あるもの”にも、命の尊さ・存在価値があることに気づけ、それを美しいと思えるのかもしれません。
自ずと自然や生物への好奇心も湧いてくるのではないでしょうか。
このように“人が変わること”は実際にあり得るのです。
だとしたら、特別に何もなくても、そういうことをわかるようになれたらいいのではないでしょうか。
お釈迦様の最期の言葉は、「この世は美しい。人の命は甘美なものだ」だったそうです。
私は、「すべてのことは好好」と思えるようになれたらいいな、と思っています。
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『生きる勇気が湧いてくる本』遠藤周作 |